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TOP食バンクマガジン  パクチーマニアに衝撃!人気パクチー料理専門店「GoGoパクチー」が閉店する理由とは!?

鉄人インタビュー

パクチーマニアに衝撃!人気パクチー料理専門店「GoGoパクチー」が閉店する理由とは!?

パクチーマニアに衝撃!人気パクチー料理専門店「GoGoパクチー」が閉店する理由とは!?

2019年2月25日
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大阪市中央区にある「GoGoパクチー」といえば、関西圏を代表するパクチー料理の専門店として広く知られる飲食店だ。その「GoGoパクチー」が2019年3月をもって閉店するという。

ここ数年、日本国内でのパクチーに対する認知度の変化には目ざましいものがある。何年か前まで、パクチーと言えば好き嫌いの分かれる、個性の強い香草といったイメージだったと思う。物好きのためのマニアックな味というか……。それが、最近ではコンビニにパクチー風味のお菓子やカップラーメンなどが並ぶのを普通に目にするし、ヘルシーでオシャレな食材といった印象にすっかり変わったような気がするのだ。

筆者のパクチー初体験は10数年前、東京・高田馬場にできたばかりのタイ料理店で食べたラーメンに入っていたのを食べた時のことだった。初めて口にする風味に「うわっ!何これ!」と驚き、必死によけて食べた。隣の友人も同じようにしていた。それから何年かして、いつしか「いや、これ美味しいんじゃないの?」という風に受け止め方が変わっていき、今ではすっかり好きになった。

パクチーに対する世間の捉え方が変わってきた一因に、パクチーの普及に様々な形で取り組み続けてきた人々の努力がある。今回、「GoGoパクチー」の店長・田淵雅圭(たぶちまさよし)さんにお話を伺って私はそのことを知った。これから、まるで人生そのものがパクチーに導かれるようにして次々とアクションを起こし続けている田淵さんの話をたっぷりと紹介したいと思う。もちろん、閉店の真相についても。

大阪メトロ・本町駅から徒歩数分の場所に「GoGoパクチー」はある。“パクチーグリーン”色のバイクが遠めからも目立つ。

この店の店長・田淵さんといえば、全身をグリーンに塗ったビジュアルが印象的で、その姿がお店のホームページなどもにたくさん登場する。

そのため、お店のある地下へと降りていったらこんな状態の田淵さんが待ち受けているのかとドキドキしてしまうが、安心して欲しい。いつも緑というわけじゃないのだ。

こちらが田淵さんである。笑顔が可愛らしい気さくな方だ。

――今日はよろしくお願いいたします!お店が閉店すると聞いて驚いて、ぜひその理由をお聞きしたいと取材に来てしまいました!

「はい!そうなんです。『GoGoパクチー』は3月15日をもって閉店することになりました」

――やはり本当だったんですね。達成された目標って、どんなものだったんでしょうか?

「僕の目標は『パクチーを日本の常備野菜にする』というものだったんです。具体的にはまず、パクチーの流通量です。僕らがやり始めた2014年の時点では、パクチーって明らかに需要過多だったんですよ。国内に生産者が少なくて。その状況を変えていこうと思って、各地の農家さんをまわって自分たちでパクチーの種を渡して生産してもらうようにお願いするとか、そういう活動を続けていきました。一方で、できるだけお店が目立つようにPRにも力を入れて、おかげ様でメディアの人も取り上げてくれて、と、だんだん広がっていきました。東京にあったパクチー料理専門店の『パクチーハウス東京』さんが最前線でやってくれていたおかげで、僕らもすごくやりやすかった。そうしているうちに、パクチーを栽培する農家さんが増えていきました」

――パクチーは輸入しているのではなく国産のものを使っているんですね。

「はい。すべて国産のパクチーでまかなっています。パクチーはかなり足が早い野菜なので新鮮さが重要です。繊細なところもあって、輸送の際とかにトラブルも起きやすいんです。他の葉物と大きくは変わらないので、ホウレンソウや小松菜を栽培している農家さんにはそれほど大変ではないと思うんですけど、太陽光の熱を蓄えた状態で新聞紙にくるんで出荷してしまうと、冷蔵して輸送しても届くころにはドロドロに溶けてたりとか。根っこを洗って出荷するときに湿気が残ってしまうと蒸れて傷んだり。三つ葉、セリに比べてもダントツで弱いです。そういった輸送の方法についても、農家さんと力を合わせて体制を整えていきました」

――日本でパクチーを栽培する農家さんが増えて、そういう意味で目標が達成されたと。

「具体的な指標は、パクチーの仕入れ価格を下げることでした。パクチーを扱う農家さんが増えて、生産量が増えて、流通量が増えて……そうなると価格が下がる。昔はひどかったんですよ!一番高い時は、大阪中央市場の仕入れ値で1キロ7,000円でした。セリや三つ葉が1キロ1,000円前後だったので、その7倍。同じセリ科の野菜なのに、異常なぐらい高かったんです。それが流通量が増えて価格が下がってきました。『中央市場でのパクチーの価格が、同じセリ科の三つ葉より少しでも下回る時期が出てくれたらOK』、それが去年の3月に達成されたんですよ」

――1㎏7,000円だったものが1,000円を下回ったと、それはすごい!

「ほかにも、エスニック料理のレシピ本じゃなくて、例えば『オレンジページ』ですとか、そういった一般的な家庭料理のレシピにもパクチーを使った料理が載るようになったらOK、というのもあったんです。そうなれば日本の家庭に本当に普及したと言えるだろうと。それも去年の3月に達成されたんです!僕の中で7年8年は最低でもかかると思っていたのが、『あれ、だいぶ早いな』と(笑)」

――お店がオープンした2014年から、それほどパクチーをめぐる状況は大きく変わったんですか?

「変わりましたね。今は別にアジア料理、エスニック料理のお店じゃなくても、例えば普通の居酒屋でもパクチーを使ったメニューが入っていたりしますよね。メディアが取り上げてくれて認知度が上がったのと、それによってパクチーを扱う農家さんが増えて仕入れやすくなったことが大きいと思います」

――なるほど、確かにここ数年で一気にパクチーの認知度が上がったような気がします。ちなみに田淵さんのパクチー初体験はいつだったんですか?

「僕の母親が台湾出身でして、父親は日本人で、僕は台湾と日本のハーフなんですね。なので、家庭料理が台湾の料理だったんです。その母の作る台湾料理にちょこちょこパクチーが入ってくるんです。当時は流通量も少なくて貴重なものだったので、両親は大喜びで食べていたんですが、僕は嫌いで(笑)」

――余計なものが入ってる!みたいな。

「そう、ずっと苦手な野菜で。それが、中学生の頃、自分で水餃子を作って食べようとした時に『何か足りひんな』と思って、パラッと台所にあったパクチーを入れてみたら『あ、なるほど!』って。そこで一気に好きになったんです。一回嫌いだった状態から好きになったので思い入れが余計強いのかもしれないです。それから大人になって、飲食店をやり始めて。それが担々麺の専門店だったんですが、夜は居酒屋みたいなメニューも出していたんですね。『パクチー使いたいなー』とずっと思っていたので、自分でメニューを開発して、パクチーをたっぷり使ったコース料理を作ってみたらお客さんからも好評だったんですよ」

「その店の2店舗目を出そうっていう話になった時に、同じ担々麺の2号店を出すよりも、どうせならプラスアルファで本気で打ち込めることをやりたいなと、それでパクチー専門店で行こうと思って出したのがこのお店なんです。2014年にオープンして」

――それからパクチー専門店として人気店になってすごく色々なメディアに取り上げられているのを拝見していました。田淵さんはいつも全身が緑色で(笑)

「僕、ボディーペイントして写真を撮って、目立つ年賀状を作って初笑いを取るっていうのが大学時代からの趣味だったんです(笑)大学時代は体を半分ずつ紅白に塗り分けて『メデタイマン』って呼ばれてたんですけど、それが『GoGoパクチー』を始めてからは『パクチーマン』になって、取材を受ける時や、イベントの時なんかはだいたいその格好でしたね」

――あの姿が強烈だったので、最初結構オラオラした怖い人なのかなと……

「よく言われるんですよ(笑)ものすごいパーティーピーポーなんちゃうかとか。でも、自分の中ではパクチーを広めるために今の時期はこういうポップな、チャラいというか、そういう見せ方が必要かなと思って意識的にやっていましたね」

――お店を閉めるということは、「パクチーマン」もやりおさめなんですか?

「そうですね……。毎年8月9日(パクチーの日)だけは、復活祭をやろうかと思ってますけど(笑)」

――パクチーマンはついに神のような存在になったんですね(笑)農家さんの生産量が上がったのにも絶対にパクチーマンが一役買っていると思います!お話を聞いてつくづく思うのですが、田淵さんは「GoGoパクチーをヒットさせたい!」、とかっていう自分のための目標じゃなく、もっと大きな理想に向かって一貫して努力されていたんですね。

「決してパクチー料理専門店自体をPRしたいわけじゃなくて、あくまでパクチーそのものを普及させたかったんです。だから例えば、その普及活動が成功して、パクチーが日本の常備菜になったら、専門店って必要がなくなるんですよ。専門店が必要ないぐらいパクチーが当たり前のものになるのが理想でしたから。ありがたいことにそのような状況になったので、これで次に向かって真剣に取り組めます」

――次というのは?

「4月1日から『台湾食堂』というお店をスタートさせます。今と同じ場所で。お話しした通り、僕のルーツは台湾料理で、パクチーとの出会いもそれがきっかけでした。だから、パクチーを普及させるという目標が達成できたら台湾料理のお店をやろうとずっと思っていたんです。まずはパクチーがきちんと手に入る状況を作る、そしてそれができたら台湾料理をしっかりやる、そういう計画ではあったんですが、思ったよりだいぶ早くなってしまって、焦りました(笑)」

――当初からそういう流れを想定されていたんですね。でも「GoGoパクチー」が無くなってしまうのはちょっと寂しい気がします。

「新しくオープンする『台湾食堂』でも、パクチーを使った料理をたくさん用意していますし、『GoGoパクチー』の人気メニューは引き続き出していきます。あと、『GoGoパクチーコース』というコースもあって、そっちでは思いっきりパクチーを楽しんでもらえますので」

――よかった。それはパクチー好きの方には朗報ですね。

「『台湾食堂』ではそれに加えて、台湾各地の料理を色々食べてもらえるようにしたいんです。台湾料理と一口に言っても、台湾の民族グループによって違うんです。台湾には大きくわけると4つの民族グループがあって、それぞれに文化も風習も異なっているんですよ。新しいお店では、そのグループによって異なる台湾の色々な料理を食べてもらえる、台湾について知ってもらえるような場にしたいと思っています」

――それもまたすごく大きな目標ですね。

「やはり自分のルーツなので、これはもう生涯やっていくだろうと思っています。最近では国内での台湾人気がすごくて、海外旅行先の人気ランキングのトップになったりしていて、タイミングもいいと思います。うちは食の方から台湾を好きになってもらう入口になれたらなと。そうやっていつか、台湾と日本との国交が開始されるような未来になったらなと思います」

――先ほど、「GoGoパクチー」の人気メニューが「台湾食堂」へも引き継がれるとおっしゃっていたんですが、実際どのようなものが今後も食べられるんでしょうか。

「『パクチーチャーハン』とか、パクチーの入った油淋鶏の『パクリンチー』、『パクチーエビマヨ』、あとはパクチーの根っこを使った天ぷらや漬け物も引き続き出す予定です。逆にパクチーを使ったドリンク類は『台湾食堂』では出す予定がないので、これは、今のうちですね(笑)」

――よかったら人気料理もドリンクメニューも注文させてもらっていいでしょうか!

「はい!もちろん」

と、まず、出していただいたのが「パクチービール」。

いやー、緑だ!サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ 〈香る〉エール」にパクチーの絞り汁を加えたというドリンク。「絞り汁」と聞くとちょっと怯えてしまうが、ビール本来のフルーティーな風味にパクチーのドシッとしたコクが加わり、バランスのいい味わいに。これは旨い。こんなに緑色なのにパクチー感はそれほど強くない。

また、パクチーの根っこが入ったサングリアである「パクグリア」と、同じくパクチーの根っこ入りチューハイ「パクチューハイ」もいただいた。

どちらも、一口飲んだ時に確かにふわっとパクチーの香りは漂うのだが、それがバランスよく酸味や甘みとミックスされ、ここでしか味わえないオリジナルなドリンクに昇華されている。これが飲めなくなるなんて、ちょっと悔しい。

次に、人気メニューの一つで、生パクチーとパクチーペーストがどっさり入った「パクチーチャーハン」をいただくことに。図々しく、厨房にお邪魔して調理の模様を見せていただいた。

慣れた手つきでサッサッと中華鍋を振る田淵店長。卵をふわっと炒め、

ご飯と手早く合わせる。

ここまでは普通に美味しそうなチャーハンなのだが、「緑色のものが何か入ったぞ」、

と思った10秒後には濃い緑色のチャーハンができていた!まるで魔法。

さらにその上にパクチーの根っこを揚げたものを乗せて完成。

ふわーっとパクチーの香りが立ちのぼってくる。

さらに、岩塩につけていただく「パクチーの根っこ天婦羅」。

パクチーペーストのたっぷりかかった「パクチーエビマヨ」も注文させていただいた。

人気パクチー料理が3つ揃うと圧巻である。

それぞれ食べて真っ先に感じたのが、「パクチーが苦手な人でも美味しいはず」ということだった。パクチー専門店、と聞くと、パクチーの独特の香りが強調されまくった料理が出てきそうに思う方もいるかもしれないが、むしろ逆。いかにパクチーを美味しく食べられるかということを日夜研究してきたわけだから、クセがなく、万人に受け入れられるであろう、普通に美味しい料理になっているのだ。

田淵さんによると「怖いもの見たさで来て、なんなら『やっぱり無理―!』っていうのを期待されているお客様もいるんですが、『え、意外と美味しいやん』ってなんかちょっとガッカリされるみたいなこともあります(笑)」とのこと。

「パクチーの根っこ天婦羅」は甘みがあって香ばしい。割烹料理店で出てきても違和感を感じないのでは、というぐらい自然な美味しさ。根っこ、茎、葉っぱ、種、と部分によって全然味わいが違うのもパクチーの魅力なのだとか。

田淵さん曰く、「台湾食堂」をやっていくに当たって重要な要素として「ジビエ」があるという。ジビエでこそパクチーがその威力を発揮するというのだ。

「パクチーってちょっと誤解されていて、香りが独特で強いっていうイメージがあると思うんですけど、僕はそうは思っていなくて、他の素材の美味しさを引き立たせるっていうのが魅力だと思うんです。もともとあった臭みを上手に消して旨みを引き出すとか、そういうことが得意なのがパクチーなんです。目立っちゃうけど名わき役。荒川良々さんみたいな(笑)それが本当のパクチーの役割で、ジビエなど普段食べ慣れていない旨味の強い食材と合わせる際に、能力を発揮します」

台湾の原住民料理を再現する上で欠かせないジビエを活かすため、昨年には狩猟免許を取得し、今は猟師の師匠に教えを受けつつ本格的にジビエの世界を学んでいるという田淵さん。「台湾食堂」では、ジビエと台湾料理とパクチーのそれぞれの魅力がミックスされた、ここでしか味わえない料理が食べられるはず。これからも田淵さんがエネルギッシュに食の楽しみを伝え続けてくれることに期待したい!

店舗情報

「GoGoパクチー」
※2019年3月15日をもって閉店となります。
http://gogopaxi.com/
住所:大阪市中央区博労町4-7-3 T3SHINSAIBASHIビル B1F
電話:06-6251-5892
営業時間:
ランチ11:30~14:30(LO14:00)※火曜~土曜日
ディナー17:30~23:30(LO22:30)
定休日:月曜日

取材・撮影・執筆:スズキナオ(@chimidoro

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