TOP 食バンクマガジン 中華料理店で活躍したい方に。 知れば知るほど奥が深い!中華料理の「基本」と「種類」
業態別の特徴
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中華料理店で活躍したい方に。 知れば知るほど奥が深い!中華料理の「基本」と「種類」
中華料理店で活躍したい方に。 知れば知るほど奥が深い!中華料理の「基本」と「種類」
2017年3月13日
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世界三大料理のひとつとして数えられる「中華料理」。
戦後、日本に渡って来た中国人料理人達が多くの若い調理師を育て、日本全国に中華料理店が広まっていきました。なかでも横浜や神戸の中華街は観光地としても有名です。
ポピュラーでありながら、極めるとなるととても奥が深い、今回はそんな中華料理の基本を改めてなぞっていきます。
覚えておきたい、中華料理の種類
中華料理は、中国の広大な国土のなかで多種多様に発展してきた4千年を超える歴史を持つジャンルです。そのため、地域によって味付けも料理も大きく異なりますが、共通する特徴としては強い火力を用いる炒め物が多いこと。日本でよく知られている代表的な4つの中華ジャンルを見比べてみましょう。
●広東料理
長江より南側の料理の総称で、中華料理のなかでも最も世界中に広まっています。薄味で、素材のうま味を生かしたものが多いです。
主な食材 | 野菜、海鮮の乾物、米、麺など幅広く、高級食材を使うことも多いです。 |
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代表的な料理 | 酢豚、フカヒレのスープ、ワンタン麺、シュウマイ など |
●北京料理
山東地方の料理を土台に、北方民族料理や宮廷料理の伝統を受け継いでいる料理です。
主な食材 | 内陸のため、魚介類はあまり使いません。小麦粉や肉を使った料理が多いです。 |
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代表的な料理 | 北京ダック、チンジャオロース、餃子、肉まん、杏仁豆腐 など |
●上海料理
アジア最長を誇る長江の下流であること、また平野部の面積が広い地域であることも影響し、魚介類だけでなくお米や野菜にも恵まれています。酒、味噌の産地でもあり、そのため、こってりと甘い味つけが特徴です。
主な食材 | 長江流域で採れる魚介類をふんだんに使ったものが多いです。 |
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代表的な料理 | 八宝菜、上海ガニ、上海焼きそば、小籠包 など |
●四川料理
寒さ厳しく多湿な盆地の四川では、発汗を促進させたり食欲を増進させたりする辛い料理が発達しました。
主な食材 | 野菜、肉、穀類を使ったものが多く、最近では流通の発達により海産物を使うことも。 |
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代表的な料理 | 麻婆豆腐、回鍋肉、エビチリ、青椒肉絲、担々麺 など |
中華料理によく登場する香辛料を知っておこう
中華料理に使用されている香辛料は和食とはまったく違うものが多くあります。味付けを左右する大切な要素なので、覚えておきたいもの。今回は代表的な香辛料をピックアップしました。
●朝天辣椒(チョウテンラージャオ)
四川省特産の唐辛子。強い辛味と食欲をそそる風味が特徴です。
花椒(ホアジャオ)
完熟した山椒の実を乾燥させたもの。独特の香りとピリッとした辛味がクセになります。
●八角(パージャオ)
八角の実をさやごと乾燥させたもの。他にはない特徴的な香りを持っています。
●桂皮(ゴェイピー)
若木の幹の皮をはぎ、乾燥させたもの。日本でもお馴染みのシナモンです。
●丁香(ディンシャン)
花のつぼみを乾燥させたもの。強い香りと苦味を持っています。英名はクローブ。
●陳皮(チェンピー)
熟したみかんの皮を干したもの。古いものの方が香りと甘味が強いとされています。
●五香粉(ウーシャンフェン)
中国の代表的な混合香辛料です。数種のスパイスを混ぜたものを指す名称で、混合される香辛料は様々です。
活躍できるフィールドがたくさんある中華料理人の世界
本にある中華料理店には、大別すると本場中国の味が楽しめるお店と、日本人の好みに合わせたお店の2つのタイプがあります。日本人の好みに合わせて進化を遂げた料理の代表格と言えるのは、やはりラーメンや餃子ではないでしょうか。こういった本場とはまったく違う味つけやスタイルになっている「中華料理」もたくさんあります。 また、本場の味にこだわっているお店では、日本ではあまり扱わないような食材や調味料を使います。調理器具も日本とはかなり違うので、まずは扱い方から学ぶ必要があるでしょう。日本向けにチェーン展開しているようなお店では、馴染のある食材や器具で調理されていることが多いので、飲食店経験者なら、違和感はあまりないかもしれません。 街中の個人店やレストラン、居酒屋などはもちろんのこと、ホテルや旅館でも中華や中華風の料理を提供しているところが増えてきました。長い間、日本人に好まれてきた中華料理というジャンルは日々、進化・発展を遂げてきたのです。だからこそ、調理人として活躍できる場所もたくさんあるということですね。
まとめ
本場の良いところを取り入れつつ発展してきた中華料理ですが、実は本場の中国にはまだたくさんのジャンルが存在しています。日本人は食への欲求が非常に高いため、これから新しいジャンルが生まれてくるかもしれません。つまり日本における中華料理とは、今後も発展・進化していく可能性を秘めている料理ジャンルなのです。そうなれば、中華料理人が活躍できるシーンもこれまで以上に増えていく可能性がありますね。
戦後の日本の発展とともに進化を遂げてきた中華料理は、職人気質も色濃く、努力次第で成功の道は大きく開けます。あなたも「可能性」「将来性」に満ちた「中華料理」という舞台に挑戦してみませんか?