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飲食店の施設ごとに必要な資格『食品衛生責任者』とはどんな役割?講習の内容は?
飲食店の施設ごとに必要な資格『食品衛生責任者』とはどんな役割?講習の内容は?
2018年4月12日
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調理師や栄養士の他に、フードコーディネーターや野菜ソムリエ・利き酒師etc...、食品を扱う資格は多種多様に存在しますが、飲食業に関わる人にとって最もメジャーで、なくてはならない資格が『食品衛生責任者』です。
食品衛生責任者とは、飲食店舗を営業する場合に必要となる国家資格です。『食品衛生管理者』や『食品衛生監視員』など似たような名称の資格も存在しますが、それらの資格と食品衛生責任者では内容が異なります。 将来開業を考えている人はもちろん、そうでない人にとっても何かと関わる機会の多い『食品衛生責任者』。そんな食品衛生責任者の役割や講習会の内容、資格の取得方法などの基本情報をご紹介します。
そもそも食品衛生責任者ってなに?
食品衛生責任者は食品の製造・販売を行う場合に必要な資格です。自治体によって規定は多少異なりますが、どんな小さな個人店や大規模チェーンでも、飲食の営業を行う際は最低でも1店舗に一人は食品衛生責任者の配置が義務付けられていますので、飲食店オーナーや店長職に就いている人であれば是非とも持っておきたい資格です。
食品衛生責任者の役割は?
食品衛生責任者の主な役割としては、
・設備の衛生確認をしたり不衛生箇所があればその改善
・スタッフの健康管理し、体調不良者は働かせない
・手洗いや清掃のチェック表など衛生管理表の作成
・保管場所や加熱方法のチェックなど食材の管理
が挙げられますが、一言で言うと“店舗で扱う食品衛生管理の責任者”です。「飲食店で衛生管理するのは当たり前じゃないの?」と思われるかもしれませんが、ここがきちんと機能していないと、しばしば食中毒で飲食店が営業停止というニュースを目にすることがありますが、あなたの勤める店舗でもそういったことになりかねません。そうならないためにも、正しい知識を持った有資格者による衛生管理の履行・チェックが必要になってくるのです。
資格の取得方法
食品衛生責任者の取得方法は大きく分けて2つあります。
1. 食品衛生責任者養成講習を受ける
各自治体によって開催されている講習を受けた後、保健所に申請することで取得できます。講習内容は後で詳しく説明しますが、料金は全国でほぼ一律の10,000円になります。開催日程は自治体によって異なりますが、どこでも月に数回は開催しているので、詳しくは保健所に問い合わせるか、ホームページをチェックしてみてください。
2. 所定の資格を持つ人
以下の資格を持つ人は、講習が免除になりますので窓口に申請するだけで資格が取得できます。
栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、船舶料理士、食品衛生管理者等の有資格者、その他医師、薬剤師
講習会ではどんなことを勉強するの?
講習の内容は全国で決まっていて、主に以下の3つの科目を勉強します。
衛生法規(約2時間)
公衆衛生学(約1時間)
食品衛生学(約3時間)
講習の終わりには小テストがあり、規定数正解すると修了証書がもらえます。テストはきちんと講習を受けていれば誰でも答えられる内容です。丸一日講習を受ければほぼ全ての人が取得できるので、たくさんある資格の中でも、食品衛生責任者は気軽に取れる資格と言えます。
ちなみに、実際にお店がオープンした後も、自治体によっては定期的に衛生管理講習を受講することが義務付けられているところもあります。講習のルールは自治体ごとに異なるので、開業前に確認しておきましょう。しかし義務付けられてないとしても、食品衛生の知識はお店を営業する上で非常に重要ですので、定期的に受けておくことをオススメします。
さいごに
食品衛生責任者の資格について詳しくご紹介しました。
この資格は飲食業従事者(特に店長)や、これからお店を開業する人にとってはもちろん必須の資格ですが、食品衛生の基本的な内容が学べるので、食品メーカーや販売店など、食に関わる仕事をしている人であれば、資格を持っておいて損はないと思います。簡単に取得できるのも魅力なので、知識を身に付ける意味でも一度講習を受けてみてはいかがでしょうか。
しかし、簡単に取れるからと言って講習を受けただけでは意味がありません。食を扱うということは、お客様の安全を預かることです。“美味しい”は安全の上に成り立つものなので、是非正しい知識を身に付けて“安全で美味しい”を届ける食のプロでありたいものです。