TOP 食バンクマガジン 独立するのも夢じゃない! カフェで働くなら、知っておきたい基礎知識
業態別の特徴
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独立するのも夢じゃない! カフェで働くなら、知っておきたい基礎知識
独立するのも夢じゃない! カフェで働くなら、知っておきたい基礎知識
2017年3月13日
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心地いい音楽に耳を傾けながら、美味しいコーヒーを飲む。…そんなゆったり過ごす時間を私たちに提供してくれる「カフェ」や「喫茶店」。独立を夢見ながら、実際に憧れのお店で働いてみたいと思う方も多いのでは。 バリスタをはじめとする専門職がいる本格的なお店や、パンケーキのみを扱う専門性が高いお店など、今やお店の傾向もいろいろ。お店を探す前に、まずはカフェの基礎知識を学んで、キャリアアップに活かしてみましょう。
まずは歴史を知っておこう。カフェ発祥と広がり
普段の生活のなかで当たり前のように存在しているカフェや喫茶店。その歴史についてはあまり知られていません。そもそもの始まりは、東ローマ帝国・コンスタンティノーブルにできたコーヒーショップと言われています。その後コーヒーの普及とともにヨーロッパに広まり、当時から「知識人の交流」や「情報交換の場」として利用されていました。
そして日本でもっとも喫茶店という名前を広めたのは、戦後登場した「純喫茶」、「ジャズ喫茶」、「歌声喫茶」などの存在ではないでしょうか。東京を中心にした喫茶店のムーブメントは、若者たちの圧倒的な支持を得て、やがて日本全国に広まっていきます。 さらにその時代も終わり、1970年代には本格的なコーヒーが楽しめる専門店が登場。しかし、80年代、90年代には喫茶店の数が飽和状態となり、冬の時代に突入してしまいます。 そんな時代に終わりを告げたのが、90年代後半に日本に進出した「スター・バックス」の存在。爆発的にヒットし、その波に続けとばかりに、チェーン店や個性的なカフェが次々とオープンしました。
以降2000年に入った現在でも、カフェブームは健在。まとめると、世界中に広がった「カフェ文化」のなかでも、戦後、日本の文化に合わせて国内で独自に広がっていったものが「喫茶店」で、近年は海外チェーンの進出をきっかけに「カフェ」ブームが訪れている状況といえます。
カフェと喫茶店、本当の違いは?
ところで、「カフェ」と「喫茶店」に違いはあるのでしょうか?
法律・法規的に、敢えて厳密に「カフェ」と「喫茶店」の違いを挙げるとすればお店の「営業許可」にあります。許可証の違いで、提供できるメニューが変わってくるのです。
ちなみに、「カフェ」と名乗るなら必ず「飲食店営業許可」をとらないといけないというわけではありません。
あくまでも、「営業内容」の許可なので、アルコールを提供せず、軽食のみの提供であれば「喫茶店営業許可」で「カフェ」と名乗ることも可能です。
●飲食店営業許可
一般食堂、料理店、すし屋、そば屋、旅館、仕出し屋、弁当屋、レストラン、カフエー、バー、キヤバレーその他食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業のこと。 軽食ではなく、きちんとした料理やアルコールもOK。
●喫茶店営業許可
飲酒類以外の飲物又は茶菓を客に飲食させる営業のこと。軽食のみで、アルコールはNG。
昭和レトロな雰囲気を持つお店が「喫茶店」で、今どきのオシャレなお店が「カフェ」と思っている方も多いようですが、お店のイメージ戦略で「カフェ」と名乗ったり、「喫茶店」と名乗ったりしているケースも多いので、その考え方もまちがっていません。
ただし、将来開業を考えているという方は、そういった「営業許可」としての分け方があることも知っておいて損はないでしょう。
カフェの開業を目指すなら…。働きながらおさえておきたい学びのポイント
昨今のカフェブームの影響もあり、「将来は自分のカフェを持ちたい!独立したい!」と考える方が増えています。さらに高い経験や専門知識がなくても「カフェなら開店しやすい」という気軽さで、独立を考える人も多いようです。しかしながら実際には他のカフェとの差別化がはかれず、赤字経営に苦しんでいるお店が多く存在しています。ライバル店も多いため、決して「カフェなら開業しやすい」というわけではないのです。
そんななか、好調な売上を維持しているカフェはどんな取り組みを行っているのでしょうか?一例にはなりますが、その傾向を見てみましょう。
◎大衆受けよりも個性を重視した空間やドリンクを提供している
◎パンケーキ専門を謳う、美容・健康をテーマにするなど、「専門性」を重視した運営をしている
◎回転率をあげるため従業員が行うサービスをマニュアル化して、他にはない「安価さ」「スピーディーさ」を売りにしている
◎店内に広々とした空間をつくり、居心地の良いソファや椅子を用意し「ゴージャスさ」や「ゆったり感」を高めている
ここから分かるように、カフェを運営していくにあたっては「スタイルの確立」がとても重要です。「失敗しない独立」を目指すなら、人気店のスタイルや運営方法を働きながら学んでいくのが成功への近道といえるでしょう。せっかくなら、原価率を抑えたメニューの考案や回転率に合わせた席配置、開店する際の立地についてなども学べる環境が選べればベストですね。
まとめ
ヨーロッパで産まれ、各地に広がっていったカフェ文化。江戸時代、最初にコーヒーを口にした日本人には受け入れられなかったことが信じられないくらい、今や多くの日本人の日常に溶け込んでいます。
人と人をつないでくれる、ほっとひと息つける場所として。煮詰まった頭を切り替えられるオアシスとして。 利用者に和みとゆったりとした時間を提供してくれる「カフェ」や「喫茶店」。 お店により提供しているメニューや雰囲気が大きく異なるので、将来独立を考えている方やカフェ業態でのステップアップを考えている方は、ポイントをきちんと見極めることがキャリアアップに繋がりそうです。