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TOP食バンクマガジン  一括りにしてしまいがちな「エスニック」。そもそも、どんな料理を指す言葉?

業態別の特徴

一括りにしてしまいがちな「エスニック」。そもそも、どんな料理を指す言葉?

一括りにしてしまいがちな「エスニック」。そもそも、どんな料理を指す言葉?

2019年3月18日
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1980年代からその美味しさに注目が集まり、近年ではパクチー人気で大旋風を巻き起こしたエスニック料理。タイカレーやトムヤムクンは日本の飲食業界でも定番化し、現地の味を楽しめるようなディープなエスニック料理店も増えています。

しかし、「フランス料理」や「イタリア料理」などと違い、国の名前がついた料理ジャンルではないことから、辛くてスパイシーな料理を「エスニック」と一括りにしてしまいがちではないでしょうか。実は辛くないエスニック料理も多々あり、国によっても様々な違いがあります。今回は「エスニック」が示す意味や、その特徴などを紹介していきましょう。

エスニックとは「民族」の意味

「エスニック」とは「民族」をあらわす形容詞です。 料理だけでなく、ファッションやインテリアなどにも「エスニック」という表現が使われます。 料理に関して言えば、主にタイやベトナム、マレーシア、シンガポールなどの東南アジアなどの民族料理が挙げられます。

バブル好景気時代、東南アジアへの旅行客がエスニック・ブームの火付け役に

エスニック料理が日本で人気となったのは1980~1990年代。当時はバブル好景気の真っただ中で、数万円のコースを楽しむフランス料理や、ティラミスが広まったイタメシブームなど、食の多様化が進んでいました。

同時期から海外旅行を楽しむ人も増え、ヨーロッパだけでなくタイやインドネシアといった東南アジアへ足を延ばす客が急増。野菜や香辛料をたっぷり使ったヘルシーでスパイシーな現地の料理は美容や健康に敏感な日本女性の圧倒的な支持を得て人気を博します。そうした需要の高さから、日本でもエスニックの食文化が認知度を高め、エスニック料理店も徐々に増えていきました。
現在では「エスニック」というくくりの中でもさらに細分化し、それぞれの国や地方色を出した専門料理店が台頭してきています。

東南アジア・エスニックの特徴は「ハーブ・スパイス・調味料」

「エスニック」の代表格としては、タイやベトナム、マレーシア料理といった東南アジア圏内の料理をイメージする方が多いのではないでしょうか。

多彩なハーブやスパイス、調味料で作り出す複雑な香りと味わいが特徴です。 ショウガやニンニクなどの香味野菜や、生のまま使う唐辛子は暑い国ならでは。辛味、甘味、酸味がある味わいは気温が高くても食欲を刺激し、発汗作用を促します。香りづけにはかんきつ系の香りが楽しめるレモングラスやバイマックルーなどのハーブのほか、スパイスとの相性も良いココナッツミルクも良く使われます。

また、味付けに使われる調味料も独特で、魚やエビなどを発酵させて作った魚醤がよく使われます。タイのフォーやパッタイなどは辛味が控えめで、魚醤の香りが効いています。この名前も国によってさまざま。タイではナンプラー、べトナムではヌクマム、カンボジアではタクトレイと呼ばれています。

同じ東南アジアでも、周囲を海に囲まれるマレーシアでは魚を使った料理も多く見られます。そのほか、イギリス植民地時代の名残から、西洋と東洋の食文化も融合。 シンガポールではお隣中国やインドからの影響もあり、さまざまな食文化が混じりあって多国籍な料理を作り上げています。

エスニック・ブームは流行から定番へ

かつてのエスニック・ブームは流行から定番へと変わりました。 日本の飲食業界でも日本人向けにアレンジしたもの、現地の味を追求したものなど、レストランそれぞれの特徴が表れています。 関西のエスニック料理店もそれぞれのカラーあり。エスニック業態に興味がある方は、どの国の、どの地方の料理なのかなど、テーマやコンセプトをもとにお店探しをすると良いかもしれませんね。

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