TOP 食バンクマガジン 焼肉業界で働くなら、知っておきたい!焼肉店の多様なスタイルとそのルーツは?
業態別の特徴
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焼肉業界で働くなら、知っておきたい!焼肉店の多様なスタイルとそのルーツは?
焼肉業界で働くなら、知っておきたい!焼肉店の多様なスタイルとそのルーツは?
2017年3月13日
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家族連れから学生、仕事帰りの会社員など、多くの人々から人気がある「焼肉」。低価格で焼肉を楽しめるチェーン店や黒毛和牛が売りの高級店など、全国各地に多くの店舗があります。焼肉店ならではの活気に溢れた環境で働きたいと思っている方や、流行している「肉」の知識を身に着けたいと思う方も多いことでしょう。 今回はルーツや歴史、韓国と日本の違いなどを中心に、料理人にもサービススタッフにも役立つ焼肉と韓国料理の基礎知識を紹介していきます。
みんな大好き!現在の「焼肉」のスタイルのルーツは?
現在のような焼肉のカタチになったのは、戦後の食糧不足の頃で、廃棄・肥料に使っていた牛の内臓(モツ)や心臓(ハツ)を、在日韓国人が日本人の舌に合うよう提供したことが、いわゆる「焼肉」のはじまりと言われています。 当時は「朝鮮料理」、「ホルモン屋」などと呼ばれ、親しまれていたそうです。昭和40年に入り、呼び名が「焼肉」に統一され、一気に全国へと広まっていきました。昭和51年には現在でも有名な焼肉店「叙々苑」が登場。これまで焼肉のメニューになかったタン塩をレモンで食べることを広め、ますます人気になっていったのです。 現在では安価で大量に食べられる“食べ放題”を売りにしたお店や、特別な日やおもてなしに利用される高級店など、同じ「焼肉」でも様々なコンセプトを掲げたお店がしのぎを削っています。昨今の「肉ブーム」を受け、消費者の「お肉」に関する知識も豊富になっており、より「コア」なファンも増えています。そういった「お肉好き」の熱い支持も受けながら、今後も多様化・発展が期待できる業界です。
ココが違う!韓国と日本の「焼肉」の食べ方
焼肉といえば韓国が有名ですが、実は日本の焼肉とは調理法も食べ方もかなり違うのです。とはいえ、今や日本でも本場韓国の味を楽しめるお店がたくさん。基礎知識として日本の焼肉と比較しながら紹介します。
●肉の種類
日本牛、豚はもちろんのこと、鶏肉やホルモン系なども
韓国肉の種類ごとに専門店がある。牛焼肉屋、豚焼肉屋、ホルモン焼肉屋 など
●焼き方
日本オーダーしたらものがきたら自分(お客様)の好みで焼く
韓国店の従業員が焼く。大きなお肉や骨付き肉の場合はハサミで切り分けてくれることも
●食べ方
日本焼いたお肉を小皿のタレ、塩、コショウ、レモンなどにつけて、お酒や白飯と共に食べる
韓国「ヤンニョムカルビ(骨付きカルビの店)」では、甘辛いタレに漬け込んだ味付き肉が多い。「サムギョプサル(豚肉を食べるお店)」では、焼いた豚肉に岩塩などをふりかけ、白飯などと一緒にサンチュやエゴマの葉などに巻いて食べる
●オーダー
日本ドリンク・フード類は多くのものからチョイスできる。一人前からオーダー可能
韓国最初のオーダーは基本2人前から。キムチ、わかめ、練り物などが小鉢に入って無料出てくる。おかわり自由という太っ腹ぶり
最近では、日本で発展してきた焼肉のスタイルに韓国のスタイルを取り入れているお店も増えています。 キッチン、ホールのどちらで働くにしても、やはり違いを知っておく方が応用が効くと言えるでしょう。
焼肉だけじゃない、韓国のソウルフードが続々上陸
最近では、韓国式の焼肉だけではなく、野菜中心で低カロリーな韓国料理そのものも注目されてきており、韓国料理店の数も増えてきています。 代表的な料理としては、若鶏にもち米と高麗人参、ナツメなどを詰めて煮た薬膳料理の「サムゲタン」、白菜キムチと肉・野菜で作る家庭料理の「キムチチゲ」、韓国風お好み焼きの「チヂミ」、丼にご飯とナムルや肉、卵などの具を入れ良くかき混ぜて食べる「ビビンバ」など、これらは日本人にとってもすっかりお馴染みのメニューになっています。
また、庶民のお酒として親しまれている韓国の伝統的なお酒・マッコリも日本人に大人気。白く濁った色合いとまろやかな味が特徴で、タンパク質やビタミン類が豊富なことから、美容や健康に良いお酒としても注目されています。まとめ
焼肉は、他の多くの料理と同じく日本人の好みにあわせて、本場韓国とは違う独自な発展を遂げてきました。韓国料理も流行する中、一口に「焼肉店」といっても、味つけや提供のスタイルも多様化しています。 特に最近はローストビーフやステーキなど、「肉」そのものへの人気が高まってきているのを受けて、様々なメニュー展開をしている焼肉店も増えてきました。肉好きが多い日本ゆえに、今後も発展していく「伸びしろ」の大きい業界と言えるでしょう。 焼肉店のスタッフとして活躍していくなら、お肉の種類や、調理方法、タレのレシピなどを身につけつつ、ルーツである韓国料理の基礎や韓国焼肉の調理法なども覚えておくと幅が広がっていくのではないでしょうか。